
直葬・火葬式とは?――流れ・費用・選ぶ前に確認したいこと
葬儀の形式について調べていると、「直葬」や「火葬式」という言葉を目にすることがあります。
直葬・火葬式は、一般的に通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人様を見送る葬儀形式です。参列する方を近い家族や親族に限り、できるだけ簡素な形でお別れを行います。
近年では、葬儀費用を抑えたい場合だけでなく、故人様が大きな儀式を望んでいなかった場合、参列できる親族が少ない場合、ご家族が高齢の場合など、さまざまな事情から直葬・火葬式が検討されています。
一方で、内容を十分に確認せずに決めると、あとから「故人様とゆっくりお別れする時間がなかった」「僧侶に読経をお願いできると思っていた」「親族へ十分に説明していなかった」と感じることがあります。
- 「直葬と火葬式は同じものですか」
- 「亡くなったあと、すぐに火葬場へ向かうのでしょうか」
- 「火葬前に故人様の顔を見ることはできますか」
- 「僧侶に読経をお願いできますか」
- 「家族葬よりも費用は安くなるのでしょうか」
- 「菩提寺がある場合も直葬を選べますか」
- 「直葬のあとに四十九日法要や納骨はできますか」
このような疑問を持つ方も少なくありません。
直葬・火葬式は、通夜や告別式を省略する形式ですが、故人様を大切に見送らないという意味ではありません。限られた時間の中でも、花を手向けたり、思い出の品を棺へ納めたり、静かに手を合わせたりすることができます。
ただし、お別れの時間や面会の可否、宗教者への依頼、費用に含まれる内容は、葬儀社や利用する施設によって異なります。
今回は、直葬・火葬式とはどのような葬儀なのか、一般的な流れ、家族葬や一日葬との違い、費用の考え方、僧侶への依頼、選ぶ前に家族や親族と確認しておきたいことを整理してご紹介します。
直葬・火葬式とは何か
直葬・火葬式とは、通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人様を見送る葬儀形式です。
故人様が亡くなったあと、病院や施設などから自宅または安置施設へ搬送し、一定期間安置します。その後、棺に納めた故人様を火葬場へお連れし、火葬と収骨を行います。
一般的な葬儀のように、式場へ多くの参列者を招き、通夜と告別式を二日間にわたって行うことはありません。
ただし、直葬・火葬式の内容に、全国共通の厳密な定義があるわけではありません。
葬儀社によっては、儀式を行わず火葬を中心に見送る形式を「直葬」と呼び、火葬前に短いお別れの時間を設ける形式を「火葬式」と呼ぶことがあります。一方で、二つを同じ意味として案内している場合もあります。
名称だけで判断せず、次のような内容を確認することが大切です。
- 故人様をどこで安置するか
- 安置中に面会できるか
- 納棺をどのように行うか
- 火葬前にお別れの時間があるか
- 花や副葬品を棺へ納められるか
- 僧侶に読経をお願いできるか
- 何人まで参列できるか
同じ「直葬」「火葬式」という名称でも、実際に含まれる内容は異なることがあります。
直葬と火葬式の違い
直葬と火葬式は、多くの場合、よく似た葬儀形式として扱われています。
どちらも通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人様を見送る点は共通しています。
ただし、葬儀社によっては、内容を分かりやすく区別するために、それぞれ異なる名称を使っていることがあります。
直葬は、儀式をできるだけ省略し、安置後に火葬場へ向かう簡素なプランとして案内されることがあります。
火葬式は、火葬場や安置施設で短いお別れの時間を設け、花を手向けたり、僧侶に読経をお願いしたりできるプランとして案内されることがあります。
ただし、この区別がすべての葬儀社に共通するわけではありません。
「火葬式だから必ずお別れの時間がある」「直葬だから僧侶を呼べない」と決まっているわけでもありません。
葬儀社へ相談するときは、名称ではなく、実際の流れや含まれるサービスを確認しましょう。
一般葬・家族葬・一日葬との違い
直葬・火葬式と、一般葬、家族葬、一日葬では、行う儀式や参列者の範囲が異なります。
一般葬は、家族や親族だけでなく、友人、知人、仕事関係、近所の方などにも広く参列していただく葬儀です。一般的には、通夜と葬儀・告別式を行います。
家族葬は、家族や近い親族、故人様と特に親しかった方など、参列者を限定して行う葬儀です。参列者は少人数ですが、通夜と葬儀・告別式を行うことが多くあります。
一日葬は、通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を一日で行う形式です。式場で読経、焼香、故人様とのお別れなどを行います。
直葬・火葬式は、通夜だけでなく、一般的な葬儀・告別式も行わず、火葬を中心に見送ります。
簡素な順に並べればよいというものではなく、それぞれに異なる役割があります。
参列してほしい方の範囲、宗教儀礼の必要性、故人様と過ごす時間、家族の負担、予算などを考えながら選ぶことが大切です。
亡くなってから火葬までの流れ
直葬・火葬式であっても、亡くなったあとすぐに火葬場へ向かうわけではありません。
まず、医師による死亡確認を受け、死亡診断書などの書類を受け取ります。その後、葬儀社へ連絡し、故人様を自宅や安置施設へ搬送します。
一般的には、次のような流れで進みます。
- 医師による死亡確認
- 葬儀社への連絡
- 自宅または安置施設への搬送
- 故人様の安置
- 葬儀社との打ち合わせ
- 火葬日時の決定
- 死亡届や火葬に必要な手続き
- 納棺
- 火葬場への出棺
- 火葬前のお別れ
- 火葬
- 収骨
- お骨を自宅などへ持ち帰る
火葬日時は、火葬場の空き状況や葬儀社の手配、ご家族の予定などを確認して決めます。
火葬までに数日かかる場合は、その間の安置場所や面会方法についても確認が必要です。
直葬・火葬式は儀式が少ない形式ですが、搬送、安置、納棺、火葬の手続きなど、必要な準備がなくなるわけではありません。
火葬まで安置が必要になる理由
直葬という言葉から、病院や施設から直接火葬場へ向かうと思う方もいます。
しかし、死亡後すぐに火葬するわけではなく、まず故人様を自宅や安置施設へ搬送し、火葬まで大切にお預かりします。
病院の霊安室は、長期間利用できないことが多いため、死亡確認後は比較的早い段階で搬送先を決める必要があります。
安置場所には、主に次のような選択肢があります。
- ご自宅
- 葬儀社の安置施設
- 葬儀式場の安置室
- 民間の安置施設
自宅安置では、ご家族が故人様のそばで過ごしやすい一方、搬送経路、部屋の広さ、室温、集合住宅の事情などを確認する必要があります。
安置施設を利用する場合は、ご自宅の準備が難しい場合でも安心して預けやすい一方、面会時間や回数に制限があることがあります。
安置日数が増えると、施設使用料や保冷のための費用が追加される場合もあります。
火葬日が決まる前に、どこへ安置するか、面会できるか、追加費用がどのように発生するかを確認しておきましょう。
直葬でも故人様に面会できるのか
直葬・火葬式でも、安置中の故人様に面会できる場合があります。
自宅へ安置する場合は、火葬までご家族が故人様のそばで過ごしやすいでしょう。
安置施設を利用する場合は、施設によって面会方法が異なります。
予約をすれば面会できる施設もあれば、面会時間や人数が決められている施設、面会に対応していない施設もあります。
故人様とゆっくり過ごしたいと考えている場合は、葬儀社を決める前に次の点を確認しましょう。
- 安置場所はどこか
- 面会できる日時
- 面会回数の制限
- 一度に面会できる人数
- 面会に追加費用がかかるか
- 付き添いや宿泊ができるか
費用を抑えたプランでは、火葬当日まで面会できない場合もあります。
「直葬でも火葬まで毎日会えると思っていた」という行き違いを防ぐため、面会の条件は早めに確認しておくことが大切です。
火葬前にお別れの時間を取れるか
直葬・火葬式でも、火葬前に故人様とお別れする時間を設けられる場合があります。
安置施設や火葬場の指定された場所で棺を開け、故人様のお顔を見ながら、花や思い出の品を納めることがあります。
ただし、火葬場でのお別れ時間は限られていることがあります。
火葬場は、ほかのご家族も利用する施設です。利用時間や進行方法が決められており、式場のように長時間のお別れができるとは限りません。
また、施設によっては、火葬場へ到着する前に安置施設でお別れを済ませることがあります。
故人様とゆっくりお別れしたい場合は、次の点を葬儀社へ確認しましょう。
- どこでお別れを行うか
- どのくらいの時間があるか
- 棺を開けられるか
- 花を用意できるか
- 副葬品を納められるか
- 家族以外も参加できるか
お別れの時間を重視する場合は、直葬ではなく、一日葬や小規模な家族葬も含めて比較するとよいでしょう。
納棺や副葬品について
直葬・火葬式でも、故人様を棺へ納める納棺は行います。
納棺を葬儀社へ任せる場合もあれば、ご家族が立ち会い、故人様へ花や思い出の品を納める場合もあります。
故人様へ着せたい服がある場合や、棺へ納めたいものがある場合は、早めに葬儀社へ相談しましょう。
棺へ納められるものには制限があります。
一般的には、手紙、写真、折り紙、少量の花、故人様が好きだった衣類などが考えられます。
一方で、金属、ガラス、プラスチック、電池、厚い書籍、燃えにくいもの、爆発や有害物質の発生につながるものなどは、火葬場の規則により入れられないことがあります。
故人様が好きだったものであっても、入れられるとは限りません。
眼鏡、時計、アクセサリーなどを納めたい場合も、事前に葬儀社へ確認しましょう。
直葬では納棺に立ち会えないプランもあります。ご家族で花を手向けたい場合は、納棺の方法や時間がプランに含まれているかを確認することが大切です。
僧侶に読経をお願いできるのか
直葬・火葬式でも、僧侶に読経をお願いできる場合があります。
通夜や葬儀・告別式を行わなくても、火葬前に短い読経をお願いしたり、火葬後に別の日程で法要を行ったりすることができます。
火葬場で読経をお願いする場合は、利用できる場所や時間が限られることがあります。
施設によっては、炉前で数分程度の読経を行う場合や、火葬場へ向かう前に安置施設で読経していただく場合があります。
僧侶へ依頼する場合は、次の内容を伝えましょう。
- 直葬または火葬式であること
- 火葬日時
- 安置場所
- 火葬場
- 読経を希望する場所
- 戒名や法名をお願いするか
- 今後の法要や納骨について
菩提寺がある場合は、必ず先に菩提寺へ相談することが大切です。
葬儀社から紹介された僧侶へ依頼する前に、菩提寺との関係を確認しましょう。
菩提寺がある場合の注意点
先祖代々のお墓が寺院にある場合や、日頃からお付き合いのある菩提寺がある場合は、直葬を決める前に相談しましょう。
菩提寺へ連絡せず、別の僧侶や無宗教の形で火葬を行うと、その後のお墓への納骨や法要について相談が必要になることがあります。
寺院墓地では、その寺院の宗派に基づいた葬儀や戒名・法名が納骨の条件となっている場合もあります。
- 「通夜や葬儀は行わず、火葬前の読経だけお願いしたい」
- 「家族の事情で火葬式を考えている」
- 「葬儀後にあらためて法要をお願いしたい」
このように、ご家庭の事情を率直に伝えて相談するとよいでしょう。
菩提寺から、炉前読経、枕経、火葬後の法要など、ご家庭の状況に合った方法を提案してもらえることもあります。
費用や負担を減らしたい事情がある場合も、自己判断で連絡を避けるのではなく、まず相談することが大切です。
参列する方の範囲
直葬・火葬式は、近い家族や親族を中心とした少人数で行うことが多くあります。
一般的には、配偶者、子ども、兄弟姉妹など、故人様と特に近い方が参列します。
ただし、家族以外が参列してはいけないわけではありません。
故人様と特に親しかった友人や、長くお付き合いのあった方にお別れしていただく場合もあります。
一方、火葬場や待合室の広さ、利用規則などによって、参列できる人数に制限があることがあります。
参列してほしい方がいる場合は、葬儀社へ人数を伝え、対応可能か確認しましょう。
また、参列を案内していない親族や知人へ、直葬で見送ることをどのように伝えるかも考えておく必要があります。
火葬後に訃報を知らせる場合や、後日お別れの会や法要を行う場合もあります。
親族への説明は早めに行う
直葬・火葬式を選ぶときは、近い親族へ早めに説明しておくことが大切です。
ご家族が故人様の希望や費用、参列人数などを考えて決めた場合でも、親族の中には「通夜や告別式を行わないのは寂しい」「最後に顔を見たかった」と感じる方がいることがあります。
火葬後に初めて直葬だったことを知ると、親族との間に行き違いが生じる可能性があります。
説明するときは、直葬を選ぶ理由だけでなく、お別れの方法も伝えるとよいでしょう。
- 「本人が生前に簡素な葬儀を希望していました」
- 「家族だけで静かに見送りたいと考えています」
- 「火葬前に短いお別れの時間を設けます」
- 「後日、法要の機会を設けたいと思っています」
全員の考えを完全に一致させることは難しいかもしれません。
それでも、故人様の希望と家族の事情を丁寧に伝えることで、理解を得やすくなります。
直葬・火葬式の費用に含まれやすいもの
直葬・火葬式は、通夜や告別式を行う葬儀と比べて、費用を抑えやすい傾向があります。
式場を長時間利用せず、祭壇や多くの返礼品、会食などを用意しないことが多いためです。
一般的なプランには、次のような項目が含まれることがあります。
- 病院や施設から安置場所までの搬送
- 安置に必要な基本的な処置
- 棺
- 骨壺や骨箱
- 納棺
- 火葬場までの搬送
- 火葬手続きの代行
- 葬儀社スタッフの対応
ただし、すべてのプランに同じ内容が含まれるわけではありません。
火葬料、安置施設の使用料、保冷のための費用、面会、お別れ用の花、僧侶へのお布施などが別途必要になる場合があります。
表示されている基本料金だけで判断せず、最終的に必要になる費用を確認しましょう。
追加費用になりやすい項目
直葬・火葬式では、基本プランの金額が分かりやすく表示されていても、状況に応じて追加費用が発生することがあります。
確認しておきたい項目には、次のようなものがあります。
- 搬送距離が基本範囲を超えた場合の費用
- 深夜や早朝の搬送費
- 安置日数が増えた場合の施設使用料
- 保冷処置の追加費用
- 面会室の利用料
- 火葬場までの車両費
- 火葬場の利用料
- 待合室の使用料
- お別れ用の花
- 遺影写真
- 納棺への立ち会い
- 僧侶へのお布施
- 戒名や法名
- 収骨後の会食
- 自宅用の後飾り
火葬場の空き状況によって安置日数が増えると、当初の見積もりより費用が増えることがあります。
見積もりを確認するときは、現在の予定だけでなく、火葬日が延びた場合に一日ごとにいくら追加されるかも確認しておくと安心です。
費用だけで決めないことが大切
直葬・火葬式は、葬儀費用を抑えたい方にとって、検討しやすい形式の一つです。
ただし、表示価格だけを比較して決めると、お別れの内容や必要なサービスが希望と合わないことがあります。
費用を比較するときは、次の点も確認しましょう。
- 安置中に面会できるか
- 納棺に立ち会えるか
- 火葬前のお別れ時間があるか
- 花を手向けられるか
- 参列できる人数
- スタッフがどこまで対応するか
- 火葬料が含まれているか
- 追加費用の条件
- 火葬後の相談に対応してもらえるか
費用を抑えた結果、ご家族が希望していたお別れができなかったと感じることもあります。
反対に、多くの儀式や設備を必要としないご家庭にとっては、直葬・火葬式が希望に合う場合もあります。
何を省き、何を残したいのかを家族で整理してから、プランを選ぶことが大切です。
直葬・火葬式を選ぶメリット
直葬・火葬式には、一般葬や家族葬とは異なる特徴があります。
大きなメリットの一つは、通夜や告別式の準備を省き、ご家族の身体的・時間的な負担を減らしやすいことです。
式場や祭壇、会食、返礼品などにかかる費用を抑えやすい点も挙げられます。
参列者への案内や受付、挨拶などの対応が少なく、近い家族だけで静かに見送りやすいこともあります。
次のような事情がある場合に検討されることがあります。
- 「故人様が簡素な葬儀を希望していた」
- 「参列できる家族や親族が少ない」
- 「高齢の家族の負担を減らしたい」
- 「通夜や告別式を行うことにこだわらない」
- 「葬儀費用をできるだけ抑えたい」
- 「親族が遠方に住んでいる」
- 「宗教的な儀式を希望していない」
ただし、これらに当てはまる場合でも、必ず直葬が最適とは限りません。
お別れの時間や親族の気持ちも含めて検討しましょう。
慎重に考えたい点
直葬・火葬式は、儀式や準備の負担を減らしやすい一方、慎重に考えたい点もあります。
まず、故人様とお別れする時間が短くなりやすいことです。
通夜や告別式がないため、故人様の友人や知人が顔を見てお別れする機会がなくなることがあります。
ご家族自身も、慌ただしい流れの中で火葬を迎え、「もう少し一緒に過ごせばよかった」と感じることがあります。
また、葬儀後に訃報を知った方が、自宅へ弔問に訪れることがあります。
結果として、葬儀後に弔問客への対応が続き、ご家族の負担が増える場合もあります。
菩提寺や親族へ相談せずに決めると、納骨や法要を進める際に行き違いが生じる可能性もあります。
費用や手間だけでなく、故人様とご家族にとって必要なお別れの時間を考えることが大切です。
直葬が向いていると考えられる場合
直葬・火葬式は、故人様とご家族の希望が明確で、参列者が少ない場合に検討しやすい形式です。
故人様が生前に「大きな葬儀はしなくてよい」「家族だけで見送ってほしい」と希望していた場合、その意向に沿った見送り方になることがあります。
ご家族や親族が少なく、一般葬や家族葬を行っても参列者がほとんどいない場合にも検討されます。
宗教的な儀式を希望しておらず、家族で静かに手を合わせたい場合にも選択肢となります。
また、ご家族が高齢で、長時間の通夜や告別式への対応が難しい場合もあります。
ただし、故人様の希望が分からない場合や、親族の意見がまとまっていない場合は、すぐに決めず、ほかの形式も含めて相談するとよいでしょう。
別の形式も検討した方がよい場合
次のような希望がある場合は、直葬以外の形式も比較した方がよいでしょう。
- 「故人様とゆっくりお別れしたい」
- 「親族や友人にも顔を見てお別れしてほしい」
- 「僧侶に葬儀の読経をお願いしたい」
- 「きちんとした式の中で区切りをつけたい」
- 「故人様の写真や思い出の品を飾りたい」
- 「参列者へ感謝を伝える場を設けたい」
- 「菩提寺から一般的な葬儀を勧められている」
通夜を省略して葬儀・告別式を行う一日葬や、近い家族を中心に通夜と告別式を行う家族葬も選択肢になります。
葬儀の規模を小さくしながら、お別れの時間を確保できる場合もあります。
「直葬か一般葬か」という二つだけで考えず、ご家族が必要とする内容をもとに形式を選びましょう。
直葬後の法要や供養
直葬・火葬式を選んだ場合でも、火葬後に法要や供養を行うことができます。
火葬後は、お骨を自宅へ持ち帰り、後飾りなどへ安置することがあります。
仏式では、初七日法要、四十九日法要、一周忌などを行うことができます。
通夜や葬儀で僧侶に読経をお願いしなかった場合でも、火葬後に僧侶へ相談し、法要をお願いすることがあります。
ただし、菩提寺がある場合は、直葬を行う前に相談しておく方が安心です。
そのほか、後日、お別れの会や偲ぶ会を開くこともできます。
葬儀には参列できなかった友人や知人を招き、故人様の写真や思い出の品を見ながら語り合う場を設ける方法です。
直葬を選んだからといって、その後の供養まで簡略にしなければならないわけではありません。
ご家族に合った時期と方法で、故人様を偲ぶ機会を整えることができます。
直葬後の納骨
直葬・火葬式のあとも、一般的な葬儀と同じように、お墓や納骨堂、永代供養墓などへ納骨できます。
四十九日法要に合わせて納骨することもあれば、一周忌やお墓の完成後に行うこともあります。
納骨時には、火葬済みであることを示す書類などが必要になります。火葬後に受け取った書類は、紛失しないよう大切に保管しましょう。
菩提寺の墓地へ納骨する場合は、直葬を選んだ経緯や法要について、早めにお寺へ相談します。
納骨堂や永代供養施設を利用する場合は、必要書類、納骨方法、供養の内容、費用などを確認します。
直葬後に納骨先を検討し始めることもできますが、決定まで時間がかかる場合があります。
すぐに納骨先が決まらなくても、焦って選ぶ必要はありません。自宅でお骨を安置しながら、家族で話し合い、施設を見学することもできます。
事前相談で確認したいこと
直葬・火葬式を検討する場合は、事前に葬儀社へ相談しておくと安心です。
相談時には、料金だけでなく、実際のお別れの内容を確認しましょう。
主に次のような点を確認します。
- 病院や施設からの搬送
- 安置する場所
- 安置中の面会
- 納棺への立ち会い
- 火葬までの日数
- 火葬前のお別れ時間
- 花や副葬品の用意
- 参列できる人数
- 僧侶の読経
- 火葬料や待合室料
- 追加費用が発生する条件
- 火葬後の後飾り
- 法要や納骨の相談
可能であれば、家族葬や一日葬の見積もりも一緒に確認すると、内容と費用を比較しやすくなります。
直葬を希望していても、説明を聞いた結果、一日葬の方が希望に合うこともあります。
反対に、必要な内容を確認したうえで、直葬が自分たちに合っていると判断できる場合もあります。
家族で話し合っておきたいこと
直葬・火葬式を選ぶ前には、ご家族で見送り方について話し合っておきましょう。
まず確認したいのは、故人様の希望です。
エンディングノートや生前の会話で、葬儀について希望を残している場合があります。
ただし、「葬儀は簡単でよい」という言葉が、必ず直葬を意味するとは限りません。
費用をかけなくてよいという意味なのか、家族だけで行ってほしいという意味なのか、宗教的な儀式を望んでいないのかによって、選ぶ形式は変わります。
家族で確認したい内容には、次のようなものがあります。
- 誰に参列してほしいか
- 故人様の顔を見てお別れしたいか
- 花を手向ける時間が必要か
- 宗教者に読経をお願いするか
- 菩提寺があるか
- 親族へいつ説明するか
- 葬儀後に法要やお別れの会を行うか
- どのくらいの費用を考えているか
話し合いが十分でないまま急いで決めると、葬儀後に後悔が残ることがあります。
短い時間でも、それぞれが大切にしたいことを確認しておきましょう。
分からないときは比較しながら考える
直葬・火葬式は、葬儀形式の一つとして広く知られるようになりましたが、初めて葬儀を経験する方にとっては、分からないことが多いものです。
- 「直葬でも故人様に会えますか」
- 「火葬前に花を手向けることはできますか」
- 「僧侶に読経をお願いしてもよいですか」
- 「菩提寺にはいつ連絡すればよいですか」
- 「表示されている料金以外に何がかかりますか」
- 「親族にはどのように説明すればよいですか」
- 「直葬後に法要や納骨はできますか」
このような疑問を持つことは自然なことです。
普通のお葬式でも、直葬・火葬式、一日葬、家族葬、一般葬の違いや、費用、安置、僧侶への依頼、火葬後の供養についてご相談いただけます。
最初から一つの形式に決めず、それぞれの流れや費用、お別れできる時間を比較してみるとよいでしょう。
直葬・火葬式を選ぶことが簡素すぎるわけでも、一般葬を選ぶことが丁寧すぎるわけでもありません。
故人様の希望と、ご家族がどのように見送りたいかを考え、納得できる形式を選ぶことが大切です。
まとめ
直葬・火葬式とは、通夜や一般的な葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人様を見送る葬儀形式です。
亡くなったあとすぐに火葬するわけではなく、故人様を自宅や安置施設へ搬送し、火葬まで大切に安置します。
直葬でも、安置中に面会したり、火葬前に花を手向けたり、僧侶へ短い読経をお願いしたりできる場合があります。ただし、面会やお別れの内容は葬儀社や施設によって異なります。
費用は一般葬や家族葬より抑えやすい傾向がありますが、搬送距離、安置日数、火葬料、面会、お別れ用の花などが追加費用になることがあります。基本料金だけでなく、最終的に必要になる内容を確認しましょう。
菩提寺がある場合は、直葬を決める前に相談することが大切です。親族にも早めに説明し、火葬前にお別れしたい方がいないかを確認しておくと、行き違いを防ぎやすくなります。
直葬後も、四十九日法要、一周忌、納骨、お別れの会などを行うことができます。
大切なのは、葬儀の規模や形式だけではありません。故人様の希望と、ご家族が必要とするお別れの時間を考え、無理のない形で見送ることです。
分からないことは葬儀社や菩提寺へ相談し、ほかの葬儀形式とも比較しながら、ご家族が納得できる方法を選びましょう。
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