親子・夫婦で話しておきたい遺言のこと。 その1 〜遺言書〜
少し古いデータになってしまいますが平成30年度の日本では年間の死亡者が約137万人、そのうち公正証書遺言を作成していた方は、日本公証人連合会によると110,471件で、おおよそ8%の方が公正証書遺言を書かれていたということになります。現代では公正証書遺言の作成数は一昔に比べて増えてきていますが、後のトラブルを減らす為に必要性はあるのでしょうか。今回のコラムは「普通のお葬式」が調査した遺言についてのアドバイスとなります。
遺言の種類
遺言は基本的に3種類で「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」になります。
公正証書遺言 費用はかかるが確実性が高い
「公正証書遺言」は公証人が立ち会って作成する遺言のことです。公証役場に出向く手間や費用が掛かりますが、専門家が正しい法律用語を使って書きますので、内容が無効になる心配がないのが一番のメリットです。また、原本は公証役場でも保管されるので、「遺言が見つからない」という心配もなく、家庭裁判所での開封手続きも不要になります。費用は財産額や相続人の人数によって変わります。
自筆証書遺言 費用はかからないが無効と判断される可能性があります
「自筆証書遺言」は自分1人で書けて費用も掛かりません。仮にチラシの裏に書いてあったとしても遺言として認められますが、法律で「全文自筆」「日付は必須」「署名・押印が必要」など書式が定められており、ルールに沿っていなかったり、あいまいな表現や不足があると無効になることもあります。また、家庭裁判所で「検認」を受けなくてはいけないなどの決まりもあります。2019年の法改正によって、「財産目録は手書きでなくてもOK」「法務局で保管してくれる」「検認が不要になる」など規制の緩和が行われましたが、確実性という点では公正証書遺言の方が高いです。
秘密証書遺言 公正証書と自筆の中間的な感じです。
「秘密証書遺言」は遺言書を自筆で書き、遺言の存在を公証人に証明してもらうものです。「これは確かに自分で書いた遺言です。」という証明はできますが、内容が法的に有効かどうかは自筆証書遺言と同じく死後に開封しないと分かりません。利用率はかなり低いです。確実に遺言を実行してほしい方は、やはり公正証書遺言をお勧めします。
遺言書を残すにあたっての注意点は?
遺言書を残すにあたり、もっとも重要なことは「生前に家族に自分の意思を伝えておく」ことです。遺言書を残せば相続はその通りに行われますが、内容に不満を持つ相続人がいれば人間関係に亀裂を生む可能性があります。残された家族の関係性を考え、生前に自分の気持ちを伝えておくことが大切です。
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