葬儀後の供花はどうする?――持ち帰り・飾り方・処分の考え方
葬儀後にすること 2026年09月04日

葬儀後の供花はどうする?――持ち帰り・飾り方・処分の考え方

葬儀では、親族や友人、会社関係の方などから供花をいただくことがあります。

祭壇の周囲に多くの花が飾られていると、葬儀を終えたあとに、

「この花はどうなるのでしょうか」

「家族で持ち帰ってもよいですか」

「参列者へ分けてもよいのでしょうか」

「棺へ入れる花と持ち帰る花は違いますか」

「自宅へ持ち帰った花は、どこへ飾ればよいですか」

「枯れたあとは普通に処分してもよいのでしょうか」

などと迷うことがあります。

葬儀後の花の扱いは、葬儀の形式や会場、地域、葬儀社の運用などによって異なります。

葬儀の最後のお別れで棺へ花を手向ける場合もあれば、残った花を持ち帰れるように分けてもらえる場合もあります。

一方、すべての花を自由に持ち帰れるとは限りません。

大切なのは、自己判断で祭壇や供花から花を取るのではなく、葬儀社のスタッフへ確認することです。

今回は、葬儀で飾られた供花について、葬儀後の扱い、持ち帰る場合、自宅での飾り方、持ち帰れない場合や処分するときの考え方をご紹介します。

供花とは?

供花とは、故人様への弔意を表すために葬儀会場などへ供える花のことです。

親族、友人、知人、勤務先や取引先などから贈られることがあります。

葬儀会場では、芳名札や名札とともに祭壇の周囲などへ飾られることがあります。

供花の形は会場や地域によって異なり、

  • 生花を使ったスタンド花
  • かご花
  • アレンジメント
  • 祭壇の周囲へ組み込む花

などがあります。

また、葬儀社のプランに含まれる祭壇の花と、参列者や関係者から贈られた供花が一緒に飾られることもあります。

見た目だけではどの花が供花なのか分かりにくい場合もあるため、葬儀後に花を持ち帰りたいときはスタッフへ確認すると安心です。

葬儀が終わった供花はどうなる?

葬儀で飾られた花は、葬儀・告別式の終了後にさまざまな形で扱われます。

例えば、

  • 最後のお別れで棺へ手向ける
  • 遺族が自宅へ持ち帰る
  • 親族や参列者へ分ける
  • 会場側で片付ける

などがあります。

どのように扱うかは、会場や葬儀社によって異なります。

また、祭壇の装飾として使用されている花については、すべてを取り外して持ち帰れるとは限りません。

「せっかくいただいた供花だから持ち帰りたい」と希望する場合は、葬儀が終わる前に葬儀社のスタッフへ相談しておくとよいでしょう。

最後のお別れで棺へ花を手向けることがある

棺の前で手を合わせる喪服姿の女性

葬儀・告別式の終盤には、出棺の前に故人様との最後のお別れの時間が設けられることがあります。

その際、祭壇などに飾られていた花を一輪ずつ棺へ入れ、故人様へ手向けることがあります。

遺族や親族、参列者が花を手に取り、

「ありがとう」

「ゆっくり休んでください」

など、心の中で故人様へ言葉をかけながら棺へ納めることもあるでしょう。

どの花をどの程度棺へ入れるかは、葬儀社のスタッフが準備や案内を行うことがあります。

棺へ入れられるものには火葬場ごとの決まりや制限があるため、花以外の品を一緒に入れたい場合もスタッフへ確認しましょう。

すべての供花を棺へ入れるわけではない

会場にたくさんの花が飾られている場合、すべての花を棺へ入れるわけではありません。

棺の中には故人様のお身体や副葬品などがあるため、入れられる花の量にも限りがあります。

また、祭壇の大きさや花の量、火葬場の基準などによって扱いが変わることがあります。

最後のお別れで使用したあとに花が残った場合は、遺族が持ち帰ったり、参列者へ分けたりできる場合があります。

残った花をどうするか希望がある場合は、葬儀社へ相談してみましょう。

供花は持ち帰ってもよい?

白を中心とした淡い色合いの花束

葬儀後、残った花を遺族や親族が持ち帰れる場合があります。

葬儀社によっては、持ち帰りやすいよう花を小分けにし、包んでくれることもあります。

ただし、会場に飾られている花を参列者が自分の判断で取って持ち帰ることは避けましょう。

祭壇の花や供花には、葬儀社が片付けるものや、その後の進行で使用するものが含まれている場合があります。

持ち帰りたい場合は、

「こちらのお花は持ち帰ってもよいでしょうか」

とスタッフへ確認します。

スタッフから案内がある場合は、その方法に従いましょう。

参列者へ花を分けてもよい?

葬儀後に残った花を、親族や参列者へ分ける場合もあります。

「よろしければお持ち帰りください」

と案内し、小さな花束のようにして渡すこともあります。

故人様へ供えられた花を持ち帰り、自宅で飾りながら故人様を偲ぶことができます。

ただし、花を持ち帰ることに対する感じ方は、人によって異なります。

持ち帰ることを希望しない方へ無理に渡す必要はありません。

また、地域や家庭によって花の扱いに関する考え方が異なる場合もあるため、親族の意向なども確認しながら対応するとよいでしょう。

供花を持ち帰ることは縁起が悪い?

葬儀で使用した花について、

「葬儀の花を家へ持ち帰るのは縁起が悪いのでは」

と気になる方もいるかもしれません。

葬儀の供花は、故人様への弔意を表して供えられた花です。

葬儀後に持ち帰り、自宅で故人様を偲びながら飾ることもできます。

一方、葬儀に関する習慣や感じ方には地域差や家庭差があります。

ご家族の中に気にする方がいる場合は、無理に持ち帰らなくても構いません。

大切なのは、「持ち帰るのが正しい」「持ち帰らないのはよくない」と一つの考え方だけで判断しないことです。

それぞれの気持ちに合った方法を選びましょう。

持ち帰った供花はどこへ飾る?

花瓶に生けられた白い花

葬儀から花を持ち帰った場合、特別な場所に必ず飾らなければならないというものではありません。

例えば、

  • 後飾り祭壇の近く
  • 仏壇の近く
  • 遺影写真の近く
  • リビング
  • 故人様がよく過ごしていた部屋

などへ飾ることができます。

仏式では、葬儀後に後飾り祭壇を設け、遺骨や位牌、遺影写真などを安置する場合があります。

その周囲へ花を飾り、家族が手を合わせることもあるでしょう。

一方、仏壇や祭壇がない場合でも、故人様の写真と一緒に花を飾るなど、ご家庭に合った方法で構いません。

花瓶の大きさに合わせて生け直してもよい

葬儀会場で飾られていた供花は、自宅の花瓶には大きすぎる場合があります。

持ち帰ったあとは、花瓶の大きさに合わせて茎を切り、生け直して構いません。

一つの大きな花束を、

  • リビング
  • 仏壇の近く
  • 玄関
  • 故人様の部屋

など、複数の場所へ分けて飾る方法もあります。

葬儀会場と同じ形のまま残しておかなければならないものではありません。

ご家庭で飾りやすい形へ整え、無理なく花を楽しみながら故人様を偲びましょう。

供花を少しでも長く飾るには

切り花を手入れする女性

生花は時間とともに傷んでいきます。

少しでも長く飾りたい場合は、一般的な切り花と同じように手入れします。

例えば、

  • 花瓶を清潔にする
  • 茎の先を切り戻す
  • 水につかる部分の葉を取り除く
  • 水を適宜取り替える
  • 傷んだ花や葉を取り除く
  • 直射日光や高温になる場所を避ける

などです。

花の種類や季節、室温によっても持ちは異なります。

すべての花を最後まで残そうとして、傷んだ花をそのまま飾り続ける必要はありません。

状態を見ながら少しずつ整えましょう。

花が多くて自宅に飾りきれない場合

葬儀で多くの供花をいただいた場合、自宅へすべて持ち帰っても飾る場所がないことがあります。

大きな花瓶をいくつも用意できないご家庭もあるでしょう。

その場合は、

  • 持ち帰る量を調整する
  • 親族へ分ける
  • 希望する参列者へ持ち帰ってもらう
  • 葬儀社へ相談する

などの方法を考えます。

「いただいた花だから、すべて自宅へ持って帰らなければならない」と考える必要はありません。

花を無理なく大切にできる量だけ持ち帰る方法もあります。

遠方から参列している場合

遠方から電車や飛行機などで葬儀へ参列している場合、花を持ち帰ることが難しいことがあります。

長時間の移動では、花が傷んだり、水が漏れたりする可能性もあります。

その場合は、無理に持ち帰らなくても構いません。

持ち帰りを勧められた場合も、

「遠方ですので、今回はお気持ちだけいただきます」

などと伝えることができます。

供花を持ち帰らないからといって、故人様への気持ちが薄いということではありません。

移動方法やその後の予定に合わせて判断しましょう。

高齢の方や子ども連れの場合も無理をしない

高齢の方や小さなお子様を連れて参列している場合、大きな花束を持って移動することが負担になることがあります。

葬儀では、香典返しや手荷物など、ほかにも持ち帰るものがある場合があります。

花を持つことで安全に移動しにくくなる場合は、無理に持ち帰る必要はありません。

車で来ている家族に預けるなど、可能な範囲で対応しましょう。

特に階段や公共交通機関を利用する場合は、荷物を増やしすぎないことも大切です。

供花の名札はどうする?

供花には、贈り主のお名前が書かれた名札が付いていることがあります。

葬儀後、花を持ち帰る際には、名札をそのまま持ち帰らない場合もあります。

名札の扱いについても会場や葬儀社によって異なるため、スタッフの案内に従いましょう。

また、ご遺族にとっては、

「どなたから供花をいただいたか」

を後から確認する必要があることもあります。

供花をいただいた方を記録している場合は、名札を処分する前に名前を確認しておくと安心です。

お礼や葬儀後の挨拶などに必要になる場合があります。

供花をいただいた方へのお礼はどうする?

供花をいただいた場合、葬儀後にお礼を伝えることがあります。

親族や親しい方であれば、電話などで、

「このたびはお花をありがとうございました」

と伝える方法があります。

会社や団体などからいただいた場合は、関係性に応じてお礼の連絡をすることもあります。

ただし、お礼の方法は、地域や家庭、葬儀の形式、供花をいただいた相手との関係などによって異なります。

葬儀後のお礼や返礼について分からない場合は、葬儀社へ相談するとよいでしょう。

誰から何をいただいたのか分からなくならないよう、供花、香典、弔電などを整理して記録しておくと、その後の対応がしやすくなります。

枯れた供花はどうすればよい?

自宅へ持ち帰った供花も、生花であればいずれ枯れていきます。

枯れた花をいつまでも残しておかなければならないというものではありません。

傷んできた花から少しずつ取り除きましょう。

花を処分することに対して、

「故人様に供えたものを捨ててもよいのだろうか」

と抵抗を感じる方もいるかもしれません。

しかし、花を処分することと、故人様を大切に思う気持ちは別のものです。

十分に花を飾り、故人様を偲んだあとであれば、無理に残し続ける必要はありません。

供花はどのように処分する?

枯れた花を処分する場合は、基本的にはお住まいの自治体の分別方法に従います。

花、葉、茎だけでなく、

  • 包装紙
  • ビニール
  • 輪ゴム
  • 保水材
  • かご
  • 容器

などが付いている場合があります。

素材によって分別方法が異なることがあるため、それぞれ確認して処分しましょう。

花をそのままごみ袋へ入れることに抵抗がある場合は、紙などに包んでから処分する方法もあります。

ただし、特別な方法で処分しなければならないというものではありません。

自治体のルールに従い、ご家庭で無理のない方法を選びましょう。

花を処分することに抵抗がある場合

故人様へ供えた花であるため、

「普通に処分するのは少し気になる」

と感じる方もいます。

その場合は、花に手を合わせたり、

「きれいに咲いてくれてありがとう」

という気持ちで片付けたりするだけでもよいでしょう。

供養の方法にはさまざまな考え方があります。

大切なのは、特定の処分方法を行わなければ故人様に失礼になると考えすぎないことです。

宗教的な考え方が気になる場合は、菩提寺などへ相談してもよいでしょう。

ドライフラワーとして残してもよい?

供花の一部を思い出として残したいと考える方もいるでしょう。

花の種類によっては、ドライフラワーなどにして残す方法があります。

ただし、すべての花がきれいな状態でドライフラワーになるとは限りません。

また、仏壇や供養の場所にドライフラワーを飾ることについては、宗派や寺院、ご家庭によって考え方が異なる場合があります。

供養のために仏壇などへ飾る場合で気になるときは、菩提寺へ確認すると安心です。

一方、故人様との思い出として別の場所へ残す場合は、ご家庭の考え方に合わせて判断しましょう。

花の写真を残す方法もある

供花そのものを長く残すことは難しくても、写真として記録しておくことができます。

特に多くの方から供花をいただいた場合は、葬儀会場で花が飾られている様子を撮影しておく方法もあります。

後から写真を見ることで、

「多くの方が故人様を思ってくださった」

ことを振り返ることができます。

供花の名札も記録しておきたい場合は、葬儀社へ確認したうえで撮影するとよいでしょう。

ただし、式場内の撮影については会場や葬儀の進行によってルールが異なるため、事前にスタッフへ確認しましょう。

持ち帰るか迷ったら葬儀社へ相談する

葬儀後の供花について、

「どの花を持ち帰れるのか」

「親族へ分けてもよいのか」

「残った花はどうなるのか」

「持ち帰り用に包んでもらえるのか」

など、分からないことがある場合は葬儀社へ相談しましょう。

葬儀社のスタッフは、その会場での花の扱いや、葬儀後の進行を把握しています。

自己判断で花を取ったり移動したりせず、まず確認することで安心して対応できます。

また、

「できれば供花を少し自宅へ持ち帰りたい」

という希望がある場合は、あらかじめ担当者へ伝えておくとよいでしょう。

まとめ

葬儀では、故人様への弔意を表すために多くの供花が飾られることがあります。

葬儀後の花は、最後のお別れで棺へ手向けたり、遺族が持ち帰ったり、親族や参列者へ分けたりする場合があります。

ただし、すべての花を自由に持ち帰れるわけではありません。

祭壇や供花から自己判断で花を取らず、持ち帰りたい場合は葬儀社のスタッフへ確認しましょう。

持ち帰った花は、後飾り祭壇や仏壇、遺影写真の近く、リビングなど、ご家庭で飾りやすい場所へ飾ることができます。

花瓶に合わせて茎を切ったり、いくつかの花瓶へ分けたりしても構いません。

花が多くてすべて飾れない場合は、親族へ分けたり、持ち帰る量を調整したりする方法があります。

また、遠方からの参列や、高齢の方、小さなお子様を連れている場合など、持ち帰ることが負担になるときは無理をする必要はありません。

自宅へ持ち帰った供花が枯れたあとは、自治体の分別方法に従って処分することができます。

花を処分することに抵抗を感じる場合もありますが、花を片付けることと故人様を大切に思う気持ちは別のものです。

葬儀後の供花をどう扱うかに一つの決まりがあるわけではありません。

会場や葬儀社の案内を確認しながら、ご家族が無理なく故人様を偲ぶことのできる方法を選びましょう。

関連コラム