
エンディングノートはどこまで書けばいい?――無理なく続けるコツ
終活という言葉が広く知られるようになり、「エンディングノート」という言葉を耳にする機会も増えてきました。
書いておいた方がよいとは聞くけれど、どこまで書けばいいのか分からない。すべての項目を埋めなければいけないのだろうか。そんな疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
エンディングノートは、必ずしもすべてを書ききる必要があるものではありません。自分の気持ちや情報を少しずつ整理していくためのノートと考えると、無理なく続けることができます。
エンディングノートとは
エンディングノートは、もしものときに備えて自分の情報や希望を書き残しておくためのノートです。
たとえば、連絡してほしい人のこと、財産や保険のこと、医療や介護に関する希望、葬儀についての考え方などを書いておくことができます。
ただし、遺言書のように法的な効力があるものではありません。そのため、形式にこだわる必要はなく、自分の思いや考えを自由に書いておくことができます。
大切なのは、家族が困らないように情報を残しておくこと、そして自分自身の気持ちを整理しておくことです。
全部を書こうとしなくてよい
エンディングノートを見ると、さまざまな項目が並んでいます。
個人情報、資産、保険、医療の希望、葬儀のことなど、書くことがたくさんあるように感じるかもしれません。
しかし、最初からすべてを書こうとすると、かえって負担になってしまうことがあります。
まずは書きやすいところから始めることが大切です。たとえば、普段使っている銀行口座や保険の情報、連絡してほしい人の名前など、思い浮かぶことから少しずつ書いていけば十分です。
エンディングノートは一度書いて終わりではなく、時間をかけて少しずつ更新していくものと考えると気持ちが楽になります。
どんなことを書いておくと安心か
エンディングノートに書く内容に決まりはありませんが、家族が困りやすい情報を書いておくと役に立ちます。
たとえば、次のような内容です。
- 連絡してほしい親族や友人
- 銀行口座や保険の情報
- 大切な書類の保管場所
- スマートフォンやパソコンの扱いやパスワード
- 医療や介護についての考え方
これらは、家族がいざというときに確認できるだけでも安心につながります。
すべてを詳しく書く必要はありませんが、「どこに何があるか」を整理しておくだけでも大きな助けになります。
葬儀についての考えを書く
エンディングノートには、葬儀についての希望を書いておく欄があることも多くあります。
たとえば、
- 家族葬のように身内だけで行いたい
- お世話になった人には知らせてほしい
- 宗教や形式の希望
- 参列してほしい人
など、思っていることを書いておくことができます。
はっきり決まっていない場合でも、「このような雰囲気がよい」「静かな形がよい」など、気持ちを書いておくだけでも家族の参考になります。
また、最近では葬儀の形もさまざまになっているため、事前に少し情報を知っておくことで、より具体的に考えやすくなることもあります。
家族へのメッセージを書く
エンディングノートには、家族へのメッセージを書く欄があることも多くあります。
普段なかなか言葉にできない感謝の気持ちや、これからの家族への思いを書いておくことができます。
長い文章を書く必要はありません。「ありがとう」という一言だけでも、残された家族にとって大切な言葉になることがあります。
エンディングノートは情報を整理するだけでなく、自分の気持ちを伝えるノートでもあります。
定期的に見直していく
エンディングノートに書いた内容は、時間とともに変わることがあります。
連絡先が変わることもあれば、考え方が変わることもあります。そのため、一度書いたら終わりではなく、ときどき見直して更新していくことが大切です。
たとえば、年に一度誕生日のタイミングで見直すなど、自分なりの習慣を決めておくと続けやすくなります。
近年ではオンラインやアプリで管理されている情報が増えており
各パスワードの更新も大事な更新手続きの一環です。
少しずつ更新していくことで、より実用的なノートになります。
自分のペースで続ける
終活という言葉を聞くと、きちんと準備しなければいけないと感じることもあるかもしれません。
しかし、エンディングノートは義務ではありません。自分のペースで少しずつ書いていけば十分です。
書けるところから書く。思いついたときに書き足す。そのくらいの気持ちで続けることが、長く使うコツです。
エンディングノートは、将来のための準備であると同時に、自分のこれまでの人生を振り返るきっかけにもなります。
無理なく続けながら、自分らしいノートを作っていくことが大切です。
関連コラム
親子・夫婦で話しておきたい遺言のこと。 その1 〜遺言書〜
平成30年度、日本での公正証書遺言作成数は約11万件で全死亡者の約8%。遺言の種類は「公正証書」「自筆」「秘密証書」の3つで、特に公正証書遺言は信頼性が高いです。遺言作成時には家族への意思伝達が重要。「普通のお葬式」では葬儀、法事、終活のご相談を承ります。
生前にできる葬儀の準備——“安心”を整えるためのやさしい第一歩
生前準備の始め方を詳しく紹介。エンディングノート、身辺整理、遺影写真選びなど、葬儀で家族が困らないための大切なポイントを分かりやすくまとめました。
家族や親族と意見が違ったとき――喪主としての判断の軸
葬儀の準備や供養を進める中で、家族や親族の意見が分かれることは珍しくありません。喪主として何を基準に判断すればよいのか、迷ったときに立ち戻れる考え方を整理します。
事前相談で突然の出来事に備える安心感を
大切な方との別れは、いつ訪れるかわかりません。そのため、お葬式の準備や事前相談を通じて心の準備をしておくことは、遺族にとって大きな安心につながります。本記事では、お葬式の事前相談がどのように役立つのか、その重要性と具体的な準備方法についてご紹介します。